
◎本市の観光産業について
おはようございます。元気みなぎる都城を目指して活動しております。進政会の川内たかゆきでございます。
それでは、通告に従って、本市のPR政策と観光産業の発展について質問いたします。
池田市長を先頭に、PR政策に力を入れている本市ですが「肉と焼酎のまち都城」というキャッチフレーズは、市民はもちろんのこと全国的にも認知度が上がっていると感じております。特に、ふるさと納税の成果につきましては、平成27年度の寄付額が42億3123万円に上り、およそ29万件の寄付をいただき日本一に輝いたことは全国各メディアでも取り上げられ大きな話題になりました。また、ふるさと納税の創始者である菅官房長官が本市を訪れたのも記憶に新しいところです。さらに、9月議会においては、28年度の寄付予想額80億に上るとの見方を示しており、それに準じた補正予算も計上されているところです。
これらを踏まえるに、平成25年に新たに設置されたみやこんじょPR課のこの3年間の取り組みや成果は目をみはるものがあります。議会においても、PRに関する諸々の事業や予算に対し期待感を持って議決しており、その成果が目に見えるというのは議員としても、一市民としても喜ばしいことだとかんじております。
しかしながら、PR政策を進めていく次のステージにどのような絵を描いているのか見えない部分があるとも感じております。市民の方からはPRばかりに力を入れているが、どうなっているのかという声が少なからずあるのも事実です。市長は、3月議会での同僚議員からのPR政策の質問に対し「しってもらうことがすべての施策のベース」であり「一過性に終わらせることなくまたかと思われるぐらいしつこくやっていく」と答弁されております。
そこで、市長に改めてお尋ねします。本市の掲げるPR政策についてその目的は何なのか改めてお尋ねするとともに、そのPR政策の先に何を見据えているのかお尋ねします。
【市長答弁】
私としましては、現在、本市が進めている「基幹産業である農林畜産業」、「都城の地の利」、「次世代を担う子どもたち」の都城が持つ3つの宝を、より一層輝かすといった施策を中心とした、本市の各種施策を効果的に実施していく上で、「都城を知ってもらう」ということはその土台(ベース)であると考えております。
したがいまして、本市のPR事業の目的とその先に見据えるものにつきましては、まずは都城を「知ってもらい」、「関心を持ってもらい」、最終的には、都城のものを買ってもらう、旅行に来てもらう、住んでもらう、つまり、都城を「選んでもらう」ということであると考えており、そのために、現在、様々なPR事業を推進しているということであります。
また、本市がPR事業を進めるもう一つの思いとしましては、PR事業を通じて、市民の皆さんやこの地域の「気」「空気」を替えることができればとも考えています。
例えば、全国放送の番組で都城が取り上げられる、サザエさんのオープニングに都城が登場する、ふるさと納税で都城が日本一になったとのニュースを耳にするといったことは、基本的には、市民の皆さんに喜んで頂き、元気になって頂ける事柄ではないかと思いますが、つまり、こうしたことを通じて、市民の皆さんや地域の「気」「空気」が明るく前向きなものになれば、それは都城の「元気」に確実に繋がると私は考えており、こうしたことも本市がPR事業に取り組む目的の一つであると考えております。
都城のものを買ってもらう、旅行に来てもらう、住んでもらう、都城を「選んでもらう」ことにあるとのご答弁ですが、まさにPRのその先にあるものだと思います。特に、都城へ足を運んでもらうことが重要であり、地元にお金が落ちる、経済が活性化するという好循環が本市の経済にとっても多大なる恩恵をもたらしてくれると期待をしております。
そこでお尋ねしますが、PR政策の効果の一つ「旅行に来てもらう」部分を重点的に質問してまいります。本市が進めているPR政策が、観光産業と地域経済にもたらしている影響についてどのような結果が出ているかお尋ねします。
【商工観光部長】
PR事業の目的は、都城を「知ってもらい」、「関心を持ってもらい」、最終的には、都城を「選んでもらう」という事ですが、現在進めているPR施策によっては、日本一となったふるさと納税のように、42億円もの寄付を頂き都城を「選んでもらう」というPR事業の目的の最終ステージに到達しているものもございます。
観光関連事業としましても、本年度開催しました野外フェティバル「ONE+NATION」など「肉と焼酎」ともコラボしたイベントに県内外より多数の観光客にお越しいただいておりますし、焼肉カーニバルにつきましては、昨年度から、九州でもトップレベルの花火大会を同時開催することにより、約4万人のイベントになりました。
今後も、都城を「選んでもらう」つまり都城に来てもらい、宿泊してもらえるようなPR事業を推進してまいりたいと考えております。
早くも最終ステージ達しているとの事で数字的にみても、「まち・ひと・しごと総合戦略」に掲げた目標は達成しているように思います。様々なイベントや意欲的な「肉と焼酎」を活かしたPRをされているとの事であり、焼肉と花火で4万人の来場者との答弁もありましたが、本市を訪れる観光客の推移はこの3年間でどうなっているのでしょうか。県内、県外、訪日の内訳はどうなっているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
宮崎県観光入込客統計調査」等のデータによりますと、都城市を訪れた観光客のうち、県内客数は、平成25年度が108万7千856人、平成26年度が97万6千625人、平成27年度が112万9千270人、県外客は、平成25年度が46万6千225人、平成26年度が41万8千554人、平成27年度が40万2千207人、外国人の観光客は、平成26年度より調査しており、平成26年度が5千64人、平成27年度が1万8千527人となっております。
数字を見るに、県内観光客のほうが県外客よりも2割から3割増しの内訳かと思います。対外PRをしており、効果が見えるといったものの観光分野では県外観光客が年々減少している点が気になります。一方で外国人観光客の割合は3倍以上に増えているのがわかります。この外国人観光客の件はのちに質問するとして、観光客誘致につながる大規模イベント、さくら祭りや盆地祭り、焼き肉カーニバルと花火、島津発祥祭りなどいくつかありますが、それらのイベントへの観光客数はどうなっているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
本市で開催している主な大規模イベントへの参加人数については、もちお桜まつりが、平成26年度が約8万1千人、平成27年度が約7万3千人、盆地まつりが、平成26年度が約7万人、平成27年度が約11万人、焼肉カーニバルは、平成26年度が約1万5千人で、大規模な花火大会を同時開催とした平成27年度が約4万人、島津発祥まつりは、平成26年度が約1万1千人で、平成27年度が約8千人となっております。
いま、縷々ご答弁頂きましたが今の数字は観光客の数字ではなく、各イベントの来場者の数という認識でよろしいでしょうか。ということであれば、観光客数は把握していないということですね。なぜ把握できないのか。把握する仕組みがないという解釈になりますが、いかがでしょうか。このあたりが、私が本市の観光産業に本気度を感じない部分の一つです。
次に、観光客の皆様が訪れる主要な観光地はどこなのか。またその要因は何かお尋ねします。
【商工観光部長】
「宮崎県観光入込客統計調査」によりますと、本市における主要観光地の観光入込客数上位3施設は「霧島ファクトリーガーデン」 、 「高千穂牧場」、「関之尾滝」となっております。
多くの観光客が訪れる主な要因は、「霧島ファクトリーガーデン」と「高千穂牧場」につきましては焼酎や乳製品など地元産業を活かした産業観光施設として整備されており、知る・学ぶ・作るが体験できる体験型観光地であること、関之尾滝につきましては、日本の滝百選や世界的な規模の甌穴群があり霧島ジオパークのジオサイトでもあることが考えられます。
霧島ファクトリーガーデン、高千穂牧場はいずれも民間の施設であり観光客をもてなすという点においては、企業ノウハウを十分に発揮されている結果だと考えます。関之尾の滝は言わずと知れた滝百選や甌穴が売りはもちろん、ボランティアガイド関之尾むかえびとの皆さんの努力の賜物だと感じております。いずれの観光地も、本市にとって観光の目玉拠点だと思います。
しかしながら、県の観光推進課が公表している主要観光地別観光客数というデータには、本市の主要観光地は出てきておりません。高千穂峡、鵜戸神宮、西都原古墳群、青島などであり、高千穂峡については年間に143万人が訪れる結果となっており、これは本市の年間観光客数に匹敵する数字です。一番少ない道の駅フェニックスでさえ、年間60万人という結果です。この結果をどう感じておられるのか。高千穂峡は素晴らしい、匹敵するものは本市にはないと、比較できないと。私は、本市には素晴らしい観光資源が山のようにあり、それらを最大限に生かす道筋さえ整えれば、ほかに負けない素晴らしい観光産業が築けると思っております。この件はのちほど質問してまいります。
次に、インバウンド事業についてお尋ねします。これまで、訪日外国人向けのインバウンド事業に取り組んでおりますが、どのような取り組みをしており、その効果としてはどうなのかお尋ねします。
【商工観光部長】
油津港に昨年より外国からの大型クルーズ船が寄港するようになっており、東南アジアなどから多くの観光客が本県を訪れるようになりました。
それを受けて日南市を中心に県内10市町で「宮崎県南部広域観光協議会」を設立し、クルーズ船で来日する海外観光客の積極的な受け入れを図っています。
本市においても本年度、地方創生加速化交付金事業を活用し、県内10市町と連携した「クルーズ船寄港によるインバウンド推進事業」及び県、宮崎市と連携した「宮崎県連携インバウンド推進事業」に取り組んでいるところです。
具体的には、都城に訪れる外国人観光客のニーズ調査を行い、その結果を踏まえ、官民一体となった台湾へのトップセールス、台湾で開催される国際旅博覧会への出展及び旅行エージェントとの商談などに取り組むこととしています。
その効果につきましては、まだまだこれからですが、7月に実施したファムツアーの成果により、台湾から数団体の旅行が組まれたと聞いております。
東南アジアなどから多くの観光客が本件を訪れるようになったとの事で、これまでとは違った外国人観光客の流れができてきていると感じています。4月に発表された政府観光局のデータによると、27年度の外国人観光客数が2000万人を突破し、2135万9000人であったと報道がありました。当初2020年までに2000万人の目標を掲げていたものが、早々に達成され、新たな政府目標として、20年に4000万人、30年に6000万人という目標に上方修正されました。このことから外国人観光客を呼び込む政策はこれまで以上に全国的な取り組みになってくると感じております。
そこで、答弁にもあったクルーズ船、寄港するようになりしばらく経ちますが、本市への来訪はどうなっているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
油津港に寄港するクルーズ船につきましては、昨年バス1台11名の外国人観光客に買い物などを楽しんでいただいておりますが、本年の来訪はまだ確認されておりません。
市長は、先の議会の答弁でインバンド対策として日南市に寄港しているクルーズ船からの誘客にも取り組む予定と答弁されていますが、本年の来訪はまだないとのことで残念です。距離や観光を楽しむ時間などを考えると厳しい面もあると思います。ただ、何を売り込んで誘客するかにもより結果も変わると思いますので今後に期待したいと思います。
次に、クルーズ船に限らずツアーなどで本市を訪れる外国人観光客が増えていることは先ほど確認しましたが、どの国が多いのか、人気の観光地はどこでその理由はなんなのかお尋ねします。
【商工観光部長】
都城観光協会の統計では、昨年度関之尾滝を訪問した外国人1万8千340人のうち、台湾からの観光客が全体の9割以上を占める1万6千911人となっております。
また、人気の観光地は、 「霧島ファクトリーガーデン」、「高千穂牧場」、「関之尾滝」であり、人気の理由は、先ほどの国内観光の動向と同じではないかと考えますが、今後のニーズ調査等でもその要因が分析できればと考えます。
外国人観光客のほとんどが台湾からという事ですが、これには宮崎空港発着の台北直行便の影響が大きいと感じております。県の観光推進課データによると外国人宿泊客数は韓国、中国、台湾が多く、国内への外国人観光客国別割合とも一致しています。今後もこの傾向は続くと考えられますが、しっかりとした受け入れ態勢の構築も必要になってきていると感じています。
そこで、外国人観光客への接客などについて、各観光地やイベントにおける通訳、言語表記など受け入れインフラはどの程度整備されているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
外国人観光客の受入れ対策としては、昨年度、観光施設5箇所にWⅰ-Fi環境を整備するとともに、4箇国語標記の説明看板設置や観光パンフレットを主要観光地へ配布しております。
また、ボランティアガイドへの外国語セミナーも開催し、外国人観光客の受け入れ態勢を進めております。
Wifi整備ついては、外国人観光客が日本でスマートフォンを活用して観光するための手段として大きなポイントとなっており、今後もより一層の整備を期待したいと思います。ただ、受け入れインフラの整備としてはあまりにも受動的ではないでしょうか。例えば、みやげ物屋に来た外国人観光客に対し、英語をはじめとする各国の言語で接客できる場合と、文字表記だけの場合とでは全然違います。民間企業の観光地はそういう接客を心掛けています。そういう意味では、観光ボランティアの方々への外国語セミナーは勿論、道の駅や滝の駅での接客についても同様に取り組むべきだと感じております。それが買ってもらうにつながるのではないでしょうか。現状は非常にもったいない。爆買いブームは去ったと言われていますが、昨年度の訪日中国人観光客の消費額は1兆4000億円、台湾が5000億円、韓国が3000億円と言われています。ぜひ、この点は積極的に取り組んでいただくようご提案いたします。
次に、観光客が本市に宿泊している割合はどうなっているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
平成26年「宮崎県観光入込客統計調査」によると、都城市の平成26年の宿泊入込数は、合計28万3千人で、観光客入込数が139万5千人であることから、宿泊割合は20.3%となります。
宮崎市を除く県内他市町村の宿泊割合は8.0%であり、それは大きく上回っていますが、宮崎市は38.4%であり、比較すると18.1ポイントの差があるようです。この差については、宮崎市においては、同市及びその周辺に主要観光施設も多く、ホテルなどの宿泊施設も充実していることに加え、プロ野球やJリーグキャンプなどが多いためと考えています。
宿泊入込数は20.3%との事でちょっと物足りない、少ないと感じております。本市は合宿誘致などで成果があがっているので、その分を加味しても少ないのではないでしょうか。答弁に宮崎市ではとの発言がありましたが、私は他自治体と比較する必要は全くないと考えます。問題は、本市が観光客を受け入れる上で、どういった目標を設定してそこにどう向かっていくのかということであります。確かに本市では宿泊施設自体が少ないかもしれませんが、そこを補って余りある観光産業全般の底上げをおこなっていけば、必ず日帰り、素通りにならない観光地づくりができると考えます。「まち・ひと・しごと総合戦略」には、観光客宿泊数の平成31年の目標値を30万人と設定しております。この数字を同じ総合戦略に掲げてある平成32年での観光客入込数148万1000人に当てはめると、20.3%で現状と変わらない割合になりますが、そこまでの質を改善していけばおのずと目標値を上回る結果が付いてくるのではないでしょうか。着地型観光とよく言われますが、現地集合現地解散は日帰りでなくてもいい、2、3日かけてじっくりと都城を堪能してもらう、もらえるようなプランを構築すべきとも考えますので、ぜひこのあたりにも意欲的に取り組んでいただくようご提案いたします。
次に、観光客の食事について、本市を訪れる観光客の方々が食事をする場合、どういった場所が人気でどのようなものをPRしているのか。
【商工観光部長】
観光客が食事をされる場所としては、施設の規模やメニューの充実などから「霧の蔵ブルワリー」や「高千穂牧場」などが選択されているようです。
また、都城の特性を活かしたご当地グルメとしては、協議会等をつくり組織的な展開もされている「焼肉三昧舟盛り御膳」や「チキン南蛮カレー」をPRしているところです。
「焼肉三昧舟盛り御膳」につきましては、一昨年6月には2万食を達成され、 「チキン南蛮カレー」につきましては、3年連続してご当地グルメコンテスト in まつり宮崎にも出展されるなど、ご当地グルメとして定着していると考えております。
焼肉三昧舟盛り御膳、チキン南蛮カレーともに地元企業、観光協会の努力のたまものだと感じております。ただ、年間の観光客数から見るに、もっと数字が伸びてもいいと感じております。旅の楽しみの一つは「食」です。例えば、西米良村の作小屋でだされる料理が全国的にも有名となり、多くの観光客が県内外から訪れております。私も昨年、その魅力を探ろうと西米良に行ってまいりました。最大で6時間待ち。それでも食べるのをやめるという方はいませんでした。料理としては私にとってはなじみ深いものが多かったように感じておりますが、その集客力、見せ方にうまさを感じたのも事実です。このあたりも、今後大いに研究を重ねて頂いて、食してもらうプラン作りをしていく必要があるのではないでしょうか。
次に、今回の観光の質問において私が最も重要だと感じている観光ガイドについて質問してまいります。現在、本市にある観光ガイドを行う団体がどれほどあるのかお尋ねします。
【商工観光部長】
本市において観光ガイドを行う団体として、「関之尾むかえびとの会」と「都城歴史観光ガイドの会」があります。
「関之尾むかえびとの会」は、「関之尾滝」の観光力をもっと向上させ、多くの市民や観光客が訪れる観光地とすることを目的に平成21年に設立され、現在11名の会員で組織されています。
主な活動は、霧島ジオパークのジオサイトでもある「関之尾滝」にお越しになる観光客に対する無料の観光ガイドであり、研修会等も開催されておられます。
都城島津邸には、都城地域の歴史、文化、史跡について歴史的案内をしている「都城歴史観光ガイドの会」があり、現在、35名の会員で組織されております。主な活動として、お客様の要望により、都城島津邸や都城地域の史跡めぐりに、随行や現地説明といった形でガイドを無料で実施しております。
本市の観光地はいくつもあり、どれも魅力的です。その魅力をもっと多くの方々に知ってもらいたい、また来てもらいたい、そのためにはしっかりとした質の高い満足のいく「おもてなし」が必要ではないでしょうか。本市の面積653㎢、その中にある観光資源を120%堪能してもらう、またきたいとおもわせる、そのためには観光ガイドは必要不可欠です。現状では、これだけの面積を有する本市に2団体しかなく、圧倒的にガイド不足であり現状ではあまりにも脆弱な受け入れ態勢と言わざるを得ない。
そこで、市として観光ガイドの養成についてどのように考えているのか。取り組み事例も含めてお尋ねします。
【商工観光部長】
関之尾滝はジオサイトでもあり、その魅力を理解するには、観光ガイドの果たす役割は大きいものがあります。 「関之尾むかえびとの会」につきましては、観光ガイドの養成のための育成講師の謝金や費用弁償などの支援をしております。
「都城歴史観光ガイドの会」についても、「都城や都城島津家の歴史、収蔵史料について、とても分かりやすく説明していただいた」といった喜びの感想をいただいております。このことからも歴史観光ガイドの重要性を認識しております。会員の高齢化、継続的な活動、歴史観光ガイドをするための学習時間が必要であることを考慮しますと計画的な歴史観光ガイドの養成が必要であると考えております。このことから、平成20年度に「都城歴史と文化のまちづくり会議」の主催で第1回都城歴史観光ガイド養成講座を開催されましたが、平成22年度の第2回目より「都城島津邸」主催とし、本年度で第5回目の講座開催となります。
いま、答弁をお聞きするに関之尾むかえびとさんたちは、独自で研修などを行っており、それについての費用の支援、歴史観光ガイドについてはずいぶんとしっかりとした養成講座をお開きのようです。歴史観光ガイドの必要性は十分承知しおり今後も観光産業の一翼を担っていただきたとい思っております。
しかしながら、本市の観光産業をより充実したものにしていくためには一般観光ボランティアの体制をこれまで以上に充実、整備していくことが最も大切ではないでしょうか。特に、ボランティアガイドの組織は、その性質上、組織を維持していくのは簡単なことではありません。
そこで、ガイドを運営する団体への支援、補助はどのようになっているのかお尋ねします。
【商工観光部長】
観光ガイドへの支援については、 「関之尾むかえびとの会」に対し、毎年度開催される先進地研修会時の市マイクロバスの借用をはじめ、ガイド用マイクセット、ガイド用法被や紙芝居など要望のあった物品等の支援をしておりますが、都城観光協会においても運営に必要な経費を毎年度助成されているようです。
都城歴史観光ガイドの会においては、ボランティア保険、新規加入者への名札配布並びに日帰り研修における市マイクロバス借用、法被支給などの支援をしております。
また、年1回開催の宿泊研修費の一部を補助しておりますが、これは、お客様からの質問が多岐に渡り、都城のことだけでなく、島津本家や九州圏域の諸大名との関係について説明する必要があるためであり、他施設の展示やガイドの取組み状況についても視察することが来館者の満足度向上に繋がるとして支援しております。
支援の内容は、運営の大本が民間と行政という違いがあるので内容が異なるのは理解できますが、なぜ、どちらも同じ観光客を迎えるという共通した目的の組織なのに、差異が生じなければならないのでしょうか。これは、本市に、これらを束ねる組織、団体がないからだと感じています。
先ほどの質問で、主要観光地に本市の観光拠点がないと申しましたが、実際主要観光地を有する自治体の状況がどうなっているのか。宮崎市には、「宮崎市神話・観光ボランティアガイド協議会」、日南市には「日南市観光ボランティアガイドの会」、西都市には「西都市観光ボランティア協議会」、高千穂町は観光協会が観光ガイドの運営も行う、といったようにしっかりとしたボランティアガイド団体を有しております。二年前産業経済委員会で視察した、大阪府堺市ではNPO法人がボランティアガイドを運営し、行政がそれを支援してともに観光産業に取り組んでおりました。視察時点では200人の観光ボランティアガイドを有しており、いたるところにボランティアガイドがあふれておりました。
こういったことを踏まえ、今後、観光産業をPR政策と絡めて考える場合、観光ガイド団体のさらなる設立や養成、援助が必要と考えますが、どのように考えているのかお尋ねします。
【商工観光部長答弁】
霧島ジオパークや島津の歴史といった地域の観光資源をPRする上でガイドの存在は欠かせないと考えておりますし、ガイドのレベルアップはもちろん、高齢化に伴う計画的なガイド養成の必要性は認識しております。
今後も、各観光ガイド団体のボランティアという理念を尊重しつつ、行政として出来る連携や支援を行ってまいりたいと考えております。
ボランティアという理念を尊重しつつと言いますが、実際に観光ボランティアガイドの皆さんは観光客の皆さんに本市をPRする重要な役割を担っていただいております。特に、関之尾むかえびとの会については、無料でガイドを行う傍ら、紙芝居や郷土料理教室などを企画し運営費用を補っているという側面もあります。また、ガイドの確保についても、実動は5人程度であり、中でも85歳の方が最前線でガイドを行っておられる。すべては都城の魅力を外部に伝えるためです。それでも、ボランティアの理念を尊重してという考えは変わりませんか。ぜひ、このあたりはもう少し本気で考えて頂きたい。
1つの大きな枠組みの中で、いわゆるワンストップで観光振興を図るのと、現在の本市の状況とでは、PR政策の成功を十二分に生かせないのではないでしょうか。現状を見るに、本市が観光に本気で取り組んでいるとは思えません。観光協会の頑張り、ボランティアガイドの頑張り、地域活性化に取り組むまち協をはじめとする各公民館の頑張り、こういったものを無駄にしてならない。行政として、バックアップという支援ばかりではなく、本市に足りないのは全面たって観光をやっていく、旗振りをしていくという姿勢だと私は思います。今はそれが見えない。ぜひ、このあたり、今一度お考えいただきたいと思います。
次に、観光のワンストップ化という意味では、一例として日本版DMOの設立が考えられますが、県内で日本版DMOに取り組んでいる自治体はあるのかお尋ねします。
【商工観光部長】
日本版DMOは、「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりを実現するための戦略を策定し戦略を着実に実施するための調整機構を備えた法人であり、宮崎県においては、「宮崎県コンベンション協会」が観光庁にDMOとして登録しております。
県内の市町村では、椎葉村が登録をされており、日南市と小林市がDMO設立へ向けて取り組んでおられると聞いております。
宮崎県コンベンション協会は地域連携DMO、椎葉村は地域DMOであったと思います。日南市は串間市と連携する地域連携DMOを、小林市については地域DMOの方向で取り組んでいると思います。全国的には、101件がDMO候補として登録されております。
なぜ、観光庁がこの日本版DMOに取り組むのか、それは観光客を呼び込み観光による地方創生を目指しているからです。本市は、観光資源の豊富さ、観光にかかわる団体の充実、想いなどを鑑みるに、日本版DMO設立に適した地域であると感じております。
そこで、本市での日本版DMOの設立について、観光産業発展のため、全体的な体制の強化が必要とみているが、本市での日本版DMO設立への考えはないのかお尋ねします。
【商工観光部長】
本市としましては、まずは地域連携DMOである宮崎県コンベンション協会と連携しつつ、他自治体の動向についても注視してまいりたいと考えております。
他自治体の動向を注視しているうちに、遅れてしまったということにならなければいいのですが、DMOはあくまで観光をこれまで以上に充実させるための手段の一つだとも思います。市長は、4月の都城青年会議所主催の催しの中で、DMOについてはその意義を認める一方、類似組織の乱立について懸念を示されたと記憶しております。確かに、その通りだとも感じております。
であれば、なおのこと既存の組織でもって、わかりやすくすっきりとした観光へ取り組み確立が必要ではないでしょうか。現状の改善に向けた取り組みを期待しております。
最後に、PR政策と本市の発展について、PR政策の延長線上にあると言える観光産業は、充実した「本気」の取り組みを行っていけば、間違いなく農業に並ぶ都城の基幹産業になると考えております。その意味でも、現在のPR政策が、市民生活や圏域の発展に寄与していくためには、より明確なビジョンが必要と考えますが、今後の取り組みについてお尋ねします。
【商工観光部長答弁】
都城には、全国に誇れる素晴らしい地域資源がたくさんありますが、まずは、その中でも地域経済に対する波及効果のある「肉と焼酎」に特化した形でPRに取り組み、昨年度ふるさと納税日本一に輝くなど確実にその成果を挙げています。先ほども申し上げたように、PR事業の目的は、都城を「知ってもらい」、「関心を持ってもらい」、最終的には、都城を「選んでもらう」ことにあり、それを実施するための中長期ビジョンも策定しておりますが、このようなPR事業のステップを着実に上がれるよう、これからも引き続き、 「ふるさと納税」にしっかりと対応していくとともに、 「肉と焼酎のふるさと・都城」推進事業をはじめ、多様なPR事業を推進してまいりたいと存じます。
PR事業のさらなる推進、おおいに取り組んでいただきたいと思います。ただ、PRの目的については、市民が置き去りにならず、共通の未来ビジョンとして都城を「選んでもらう」、つまりは観光に来てもらう、移住・定住につなげるという重要な要因としてしっかりと内側にもPRすべきではないでしょうか。
PRと観光について様々質問してまいりましたが、観光産業は本市の基幹産業になりうるということ、そのためには今回の質問事項、ご答弁を今一度見つめなおしていただきたいと思います。本年度、すべての地区にまちづくり協議会が設立されました。どの組織も、地域活性化のために様々な知恵を絞って、魅力的な事業の創出に尽力されております。また、今月の24日土曜日には山之口スマートインターチェンジがついに開通します。スマートインターを景気の出口ではなく、圏域の景気浮揚に寄与する入口となるようにしなければなりません。その意味でも、観光を生かした取り組みは大変重要であると考えます。今後、本市が観光産業の発展に意欲的な取り組みを行っていくことをご期待申し上げ、すべての質問を終わります。
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