
只今議題となっております、議員提出議案第2号 水道事業の更新・耐震化に関する国の支援拡充を求める意見書 について提案理由の説明を行います。
水道水は住民生活の根幹に位置する非常に重要なライフラインです。住民一人一人が、不安なく安定的に水道水を利用する環境を整えることは、自治体の安寧にもつながります。
本市でも公営企業法に基づき、独立採算の観点から努力を重ね、人口減少対策にも取組むなど、なんとか水道事業を維持しているのが現状です。
しかしながら、対策を上回る人口減少や節水思考の高まりにより、給水収益を向上させていくことは極めて困難な状況になってきています。
また、今後30年以内に発生すると言われている南海トラフ地震などに対処するため、施設の耐震化等が喫緊の課題として重くのしかかっている状況です。
国は、2028年度までに水道の耐震化率を60%にする目標を掲げていますが、水道事業の多くは公営企業法に則り運用され、独立採算の原則が適用されています。
水道施設はその多くが高度経済成長期に整備されており、老朽化が進み、修繕・更新の必要な施設が急増しつつある現状に鑑みると、料金収入や既存の補助金等の枠組みだけでは、耐震化を含め、増加する事業量に対応できないことは明白であり、独立採算制を原則とする地方公営企業においては、いかにして財源を捻出するかその根幹を揺るがしかねない大きな課題を含んでいます。
各自治体、水道料金の値上げに舵を切っているものの、自治体による水道事業は、その形態は様々であり値上げしてもなお、料金回収率100%を維持しつづけるのは困難であり、それに加え今日の物価高騰が住民生活に大きく影を落としている状況です。
公表されております水道カルテによりますと、基データは令和4年度になりますが、47都道府県のうち、料金回収率100%未満の都道府県は17県あります。また、各自治体別で見ると、自治体や広域団体等を含んだ水道事業者1366事業体のうち、料金回収率100%未満の事業体は730事業体あり、全体の52%を締めている状況です。国土強靱化年次計画2021に定める基幹管路の耐震適合率目標は [2028年]までに60%ですが、全国平均は42%であり、47都道府県のうち実に44県が60%未満となっています。
こうした課題を解決し、水道事業の安定的な経営を実現するためには、さらなる補助制度や起債制度をはじめとする国の財政支援が不可欠です。
よって、国においては水道事業の安定的かつ健全な経営を実現するため、次の事項を実施するよう強く要望します。
1 水道施設の耐震化及び老朽化対策を円滑に進めるため、補助要件である料金回収率の緩和を行うこと。
2 水道事業の健全経営に資するため、耐震化や施設の更新に関する地方公営企業繰出金の繰出基準の見直しを行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。
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