◎本市の災害対応について
こんにちは。元気みなぎる都城を目指して活動しております。進政会の川内たかゆきでございます。
それでは、通告に従って、本市の災害対応と子育て環境の整備について順次質問をさせていただきます。
はじめに4月14日、16日に発生いたしました熊本地震、本市において大きな被害は出ておりませんけれども、今なお多くの皆様が避難生活を送っており、親族や知人の方が熊本・大分で被災された市民の方も多数いることと存じます。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い復興をお祈り申し上げます。
さて、熊本地震発生以降、巨大地震発生への懸念が全国的に広がっており、南海トラフ地震の発生が改めて注目を集めております。先月末には海上保安庁の研究チームより南海トラフ震源域での「ひずみ」が確認されたとの報道がなされました。また、測位衛星を用いた新しい地震予測で注目を浴びているJESEAの村井俊治顧問も、5月20日に行われた災害ボランティア議員連盟主催の研修において、九州、東南海の地盤沈降の状況から地震発生のリスクに言及されました。
このような現状の中、後方支援拠点としての役割を果たそうとする本市において、拠点地の被害を最小限にとどめる必要性を、これまでの質問でも繰り返し提案してまいりました。今、熊本地震を目の当たりにし、改めて拠点として最大限機能するように各種対応を考えるべきです。特に、市民の皆様が避難をする避難所については、熊本地震でも様々な課題が見えております。
今回の地震発生を受けて、本市において臨時開設された避難所がありましたが、この避難所について1次避難所とは異なる避難所が指定されておりましたがその理由と背景についてお尋ねいたします。以上壇上からの質問を終わり以降は自席にて行います。
【総務部長】
今回の地震では、都城市におきましても4月14日の前震で震度3を、4月16日の本震では震度4の揺れが観測され、その後も頻繁に余震が観測されております。
そのため、相次ぐ余震への不安解消を図るため自主避難所として、4月16日の夕方6時から4月17日の御前8時までの間、市内17カ所で避難所を開設したところです。
なお、今回開設した避難所のうち、小松原地区、沖水地区、志和地地区、庄内地区、山之口地区及び高城地区の6地区につきましては、地震災害に配慮し、市が指定している1次避難所よりも、より耐震性の高い同地区内の二次避難所又は公共施設に変更して開設いたしました。
26年12月議会において、耐震や老朽化の見られる避難所があることから、災害に応じた避難所の指定を提案いたしました。今回開設された避難所は、市民の皆様がよく知っている一次避難所ではない施設がほとんどでした。これでは、間違った避難所に移動する可能性もあり、二次被害の危険性も伴います。今回の地震を踏まえ、風水害、地震等の災害に応じた避難所を明確に指定することについての考えを改めてお尋ねします。
【総務部長】
避難所は、切迫した災害の危険からのがれるため、災害の種類に応じて一時的な避難場所となる指定緊急避難場所と、災害発生の恐れのある地域または被災した地域の市民等を一定期間滞在させる指定避難所がございます。
災害の種類に応じた避難所指定は大変有効であると考えますが、細分化することにより、市民への周知が煩雑となり、混乱を生じる懸念もあることから、本誌では、洪水、土砂災害、地震といった区分を設けず包括的な「指定避難所」としております。
今回、熊本地震の余震対策として、より耐震性の高い公共施設に変更して避難所を開設しましたが、今後、耐震性が確保されていない施設についてはその指定を解除する方針です。
現在、新建築基準法による耐震性が確保された、昭和56年以降の建築物への変更に加え、地区内の地理的特性や収容人数、地域の意見等を考慮した避難所の全体の見直しを進めております。
災害に応じた避難所を指定することと、災害時に突然別な避難所を指定することを比べると、前者の方が混乱が少ないように感じます。市民への周知の煩雑さは後者ではないでしょうか。また、災害に応じたマークを作成することでこの避難所は水害対応、この避難所は地震に対応といった一目でわかる工夫を施すのも一つの手段と考えます。
いずれにしても、今後避難所全体の見直しを進めていくとの答弁ですので、混乱のないようにしていただきたいと思います。
次に、今回の熊本地震においては、行政の定める指定避難所以外に多数の避難所が自然発生的に生まれました。そのことで、物資の不足や避難状況等を把握するのに多くの時間がかかり支援格差も見られました。
こういった状況は本市でも十分起こりうる事例である考えます。特に、地震の場合は、台風などと違い事前に避難することができません。被災した後に避難します。できる限り身近な場所に避難しようとするのは当然だと思います。
そこで、本市には自主防災組織が各地域に多数結成されていますが、各自治公民館においての地区内の身近な場所を一時避難所として選定・把握することにより、避難情報や救援物資の配送といった情報が共有しやすくなると考えますが、市としてこの部分において自主防災組織との連携等をどう考えているかお尋ねします。
【総務部長】
自主防災組織は、地域住民自らが自主的に地域の防災活動を行う「共助」における中心的な役割を担っており、平時においては防災知識の普及啓発、防災講演会、危険個所などの巡視、防災訓練、防災資機材の備蓄・点検整備といった活動に取り組んでおられます。そのような活動を通じて、自らの地区の防災マップや地域防災計画を作成し、独自の避難所を定めることは、地域住民の生命、身体、財産を守るうえで非常に有効であり、地域防災力を高めるものと思います。
市内では、地区独自の避難所を自治公民館に定めているところもございますが、今後独自の防災マップや地区防災計画を作成する際には、飼料提供や助言・アドバイス等の最大限の支援を行いながら情報共有を図ってまいります。
なお、救援物資配送につきましては、今回の熊本地震におきましても、自治体の指定する避難所以外の場所に自主避難された避難者まで行きとどかなかったとの報道がございました。災害発生時において、自主防災組織と市が密接に情報交換を行うことは、避難者情報や必要物資を的確に把握することが可能となり、結果として救援物資配送に大きく寄与するものと考えます。
本市としましても、引き続き自主防災組織との連携強化を図り、平時から顔の見える関係を築きながら、地域の防災力向上に努めてまいります。
現在、自主防災組織の結成率は8割を超えていると聞いています。残りの自治公民館についても結成に前向きな意見を聞いている一方、結成についての相談も多数いただいているところであります。答弁にありましたように、結成したら終わりではなく平時から顔の見える関係をこれまで以上に築いて頂きたいと思います。
次に、本市では南海トラフ地震が発生した場合、最大震度6強、避難者が2万1千人と予想されております。26年12月の答弁では、1次避難所、2次避難所あわせて5万2235人の収容が可能と想定しているとの答弁でした。
ちなみに今回の地震で、益城町では4月17日に、およそ3万3千人の町民に対し、1/3以上の1万6千人以上が避難者となっています。熊本県全体では4月17日に18万3882人の避難者を記録しています。
熊本地震の避難状況、本市の被害想定を考えると多くの仮設住宅が必要になります。迅速に仮設住宅建設を始めるには、公園や学校といった公有地を利用する方法が一番早いと考えられますが、現在利用可能な公有地に仮設住宅を建設した場合には、どれほどの避難者に対応できるのかお尋ねします。
【総務部長】
本市における応急仮設住宅建設候補地は、市内16カ所の市民広場を広報地としており、2千5戸の仮設住宅が建設可能ですので、約四千六百人の避難者に対応できます。
これらの候補地の中から家屋被害の大きい場所から直近で、安全が確認された場所を建設地として決定することになります。
南海トラフ地震での本市の全壊建物は1300棟となっています。これは、海沿いの自治体と比べると極端に少ない数字です。おそらく津波被害の有無で予測された数字だと思います。
しかしながら、今回の熊本地震では熊本県の想定の4倍の数の住宅が全半壊の被害を受けました。市の防災計画には民有地の件も記載があります迅速な建設につながるよう今後も研究を重ねていただきたいと思います。
これに関連しまして、現在も車中泊を続けている避難者の方がおられます。これを受け、国は車中泊避難について新たな指針を策定する検討入っています。東日本大震災時にも車中泊によるエコノミークラス症候群での関連死が問題になりましたが、今回も大きな問題になりました。
そんな中、民間業者が県などと協力しキャンピングカーの無料貸し出しを行い車中泊避難の環境改善に取り組んでおり、さらに、益城町では「福祉避難所」不足から、日本RV輸入協会から有料でトレーラーハウスを15台をレンタル、日本トレーラーハウス協会から3台の無償貸与を受け運用を始めたとの報道がありました。これについても約200世帯の応募があったとされています。
このような支援事例を考えると、仮設住宅完成や住宅復旧までの一時避難所としてこの取り組みは非常に大きいと考えます。本市には高城観音池公園のオートキャンプ場や高崎総合運動公園のRVパーク、青井岳や観音池にあるキャンプ場があります。こういった施設、設備を活用した避難生活の補助についての考えはないかお尋ねします。
【総務部長】
NPO団体や民間事業者により、キャンピングカーやトレーラーハウスを避難所や福祉避難所として無償提供する制度は、すでに熊本県内の複数の自治体で導入されており、災害弱者を支援する制度として、非常に有効な手段の一つであると考えます。
また、市内のキャンプ施設やオートキャンプ場の機能を組み合わせることにより、避難者の良好な生活環境の向上につながるものと考えます。
今後、本市といたしましても、当制度を導入している自治体や関係団体、施設管理者等からの情報を入手・分析し研究を進めてまいります。
避難者の環境改善や二次被害を防ぐ意味でも、有効な取り組みであると考えますので今後の研究に期待したいと思います。
ここで問題となっている車中泊ですが、車中泊をせざる得ない状況というのは、家屋の倒壊が一番大きいと考えます。26年12議会では、本市の旧建築基準である昭和56年5月以前に建てられた住宅数は2万6千500棟あり、耐震性があるものが7千700棟あると答弁されました。つまりは、残り約1万9千棟の家屋に耐震性がない可能性があるということになります。本市では、旧基準で建築された木造住宅を対象に耐震診断の補助を実施しておりますが、これまでの実績と熊本地震発生後の状況についてお尋ねします。
【土木部長】
木造住宅耐震診断補助事業は、新耐震基準施工前の昭和56年5月以前に建築された木造住宅を対象に耐震診断費の一部を補助するものです。
平成28年熊本地震発生以降、多くの市民から、木造住宅の耐震化に関する問い合わせが寄せられており、本年6月10日までの相談件数が77件、木造住宅耐震診断補助申請が7件となっております。
木造住宅耐震診断補助事業の実績につきましては、18年度から開始以降、昨年度までの10年間で36件となっております。
また、本年度からあらたに、住宅耐震化を考えている方々に対し、市から派遣する耐震診断士が住宅の耐震化に関する様々な相談を無料で行う木造住宅耐震診断アドバイザー派遣制度を開始しており、これまでの派遣件数は6件となっております。
予算につきましては、本年度当初予算において、1件当たり上限額5万4千円の木造住宅耐震診断補助費用10軒分に相当する五十四万円を計上していました。しかし、熊本地震以降、住宅の耐震化に関する問い合わせが急増していることから、6月補正予算において20件分の追加経費を計上しております。
地震発生以降、おそらく相談件数が増えるだろうと予想しておりましたが相談が77件、申請が7件ということで地震に対する市民の皆様の不安がよくわかります。需要に対応できるよう引続きの対応を期待します。
次に、今回の地震では、仮設住宅完成や全壊住居復旧までの対応として行政が民間賃貸住宅を借り上げ、みなし仮設住宅として運用する制度がスタートしています。6月4日の新聞報道では熊本市で3367戸、八代市で82戸、益城町で77戸などの提供があったとされています。この提供をするには、建築士などによる物件の安全性の確認が必要です。
そこで質問ですが、本制度は本市でも災害の際に有効な手段ではないかと思います。ただ、スピード感のある対応を可能にするためには、事前の耐震診断が重要だと考えます。このような観点から、木造住宅限定で行っている耐震診断事業を民間賃貸住宅に拡大する考えはないのかお尋ねします。
【土木部長】
平成25年に国が実施した住宅・土地建物統計調査によれば、本市における木造戸建て住宅の耐震化率は71.6%、アパート・マンションなど共同住宅の耐震化率は96.3%となっております。(新基準建築の意)
建築物の耐震改修促進に関する法律第2条において、建築物の耐震化促進の目的は、倒壊等の被害から国民の生命、身体及び財産を保護することにあると示されております。
本市におきましても、法の趣旨を鑑み、建物の倒壊防止、人命等保護の観点から耐震化の低い木造戸建て住宅の耐震化を優先的に進めることが重要であると考え、木造住宅耐震診断事業に取り組んでいるところでございます。
現時点では、比較的耐震化の進んでいるアパート・マンションなど共同住宅につきましては、耐震診断事業の対象とする考えはありません。
アパート・マンションの耐震化率は96.3%ということで高い数値であります。しかし、あくまで新基準で建築された物件であり、耐震診断が取れている物件が96.3%あるわけではありません。答弁では、共同住宅への事業拡大は考えていないとのことですが、災害時にアパート・マンションをみなし仮設住宅として迅速に運用するためには必要ではないかと考えますので、熊本地震の事例を踏まえ、今後研究をしていくようご提案いたします。
次に、災害救援ボランティアセンターについて質問します。熊本地震では現在も多くのボランティアを必要としております。自治体の手の届かない個々人の支援、救援にボランティアは欠かせない存在となっています。私は、4月30日に熊本市のボランティアに参加してまいりましたが、早朝より多くのボランティアの方が長い列を作っておりました。当日は、1300名ほどの受付だったと思いますが、9時の受け付け早々締め切られ、受付できない方も200名ほどいたように見受けました。この善意を無駄にしない対応について後ほど質問しますが、それだけ多くの方が災害の際にはボランティアに駆けつけるということです。
そこでお尋ねしますが、災害救援ボランティアセンターの開設について、拠点はどこにするのか、複数の予定地があるのかお尋ねします。
【福祉部長】
災害救援ボランティアセンターの設置主体は、都城市社会福祉協議会となるため開設場所については、基本的に都城市総合社会福祉センターになりまし。
その他の開設場所としては、山之口ふれあいの館、高城老人福祉館、山田総合福祉センター、高崎老人福祉館があり、被災地との位置関係に基づき、選定を行うことになっております。
その他、実際の被災状況等を考慮し、必要に応じ他の施設についても検討を行うことになっております。
本市の面積は653.36㎢となっており非常に広範囲です。それに対して、交通手段は自家用車が主な移動手段となっております。今後、答弁のあった各施設を拠点とした場合の移動手段等についても考えていく必要があると思います。
次に、ボランティアの受け入れについてですが、受け入れ体制を整え、実際に受け入れをするには、そこをさばく多く人員が必要だと考えます。本市においては、どれほどの人員が必要でどこから確保するのかお尋ねします。
【福祉部長】
ボランティアセンターを開設した場合、組織を運営していくためのスタッフとして最低20名が必要であると見込んでおります。
人員の確保については、第1段階として、都城市社会福祉協議会内に参集した職員を把握の上、可能な限りスタッフとして配置します。
第2段階として、宮崎県社会福祉協議会と連携し、県内市町村社会福祉協議会及び県外の社会福祉協議会に対し、支援を要請することになります。
不足する場合は、市内において、ボランティア、NPO等からスタッフを募集することになります。
最低20名必要ということですが、ボランティアの誘導、受付、説明、割り振り、災害派遣等従事車両証明書手続きなど、その人数で対応は難しいのではないでしょうか。熊本市の場合では、最初の受付までで20名、そこからオリエンテーションや割り振りにかかる人が20名以上、指揮者が10名ほどいたように感じました。もちろん正確にはカウントしておりませんので重複もあると思いますが、その体制でも割り振り完了まで2時間かかりました。とても20名でさばけるとは思えません。混乱を最小限に抑え、スムーズな割り振りができるよう、今回の自治体の対応状況をもう一度確認していただきたいと思います。
次にボランティアとのマッチングについてお尋ねします。一部でボランティアと希望者の数があわず、ボランティアが溢れているとの報道もありました。そのためか、ニーズがあるにも関わらずボランティアが派遣できない状況が生まれ、ボランティアが必要以上に来ているといった誤解を招く報道もありました。毎日のように報道されておりますが、2ヶ月たった今でもボランティアを必要とされている方々は多数おり、本市、本県からも多くの方がボランティアに参加されています。6月15付の宮日にも社会福祉協議会の日帰りボランティア募集記事が出たばかりです。
ここで重要なのは、駆けつけたボランティアと助けを必要としている方々とのマッチングをうまくやれるのかにかかっていると考えます。そのためには、早期の被災状況の把握や、ボランティア希望のスムーズな受付などが必要となってきます。本市において、このボランティアを必要とする被災者の情報収集について、どのような手段を予定しているかお尋ねします。
【福祉部長】
被災者が必要とするボランティア活動の情報収集は、被災者の心情に配慮しながら、行う必要があります。
手段としては、電話やファックスにより受付を行うことになりますが、その他の手段として、被災者の状況や情報を確実に把握するために、民生委員等の協力を頂きながら、被災者宅を直接訪問して、情報の聞き取りを行うことが重要であると考えております。
早期の情報把握が重要ですが、ライフラインが寸断されていた場合、電話やファックスが家の下敷きになっている場合などのひどい状況下では、答弁にあった民生委員に協力を頂くことはもちろんですが、先ほどの件と同じように自主防災組織との連携も視野に入れて対応を協議いただきたいと思います。
これらの体制をしっかり整えた後にボランティアの受け入れを開始するわけですが、ボランティア情報の発信は、全国各地から駆けつけるボランティアにとって正確な情報である必要があります。私は、熊本市のみの参加だったのでその他の自治体がどのような受付を実施していたか存じませんが、受付開始から派遣先が決まるまで2時間以上かかりました。これは、ボランティアへの負担、作業時間のロスの面から考えてもあまり好ましくないと感じました。
そこでお尋ねしますが、ボランティア参加への事前登録やボランティアの実施・完了、集合・解散といったリアルタイムの情報共有システムについての考えをお尋ねします。
【福祉部長】
ボランティアの実施や完了のお知らせについては、ホームページ、フェイスブック等による情報発信を予定していますので、その情報をもとにボランティア活動への参加の登録を頂くことになります。
都城市社会福祉協議会では、毎年1回、県や市の防災訓練に合わせて、ボランティアセンター設置運営の訓練を実施しています。市としましても、これらの訓練を通じて、迅速な情報収集や整理、スタッフ間での情報共有、外部への正確な情報発信等ができるような体制づくりを、構築していく必要があると考えております。
せっかく全国から集まる前にでもありますし、自費で遠くから来るボランティアの皆様にロスの少なし活動を行って頂くためにも今後の体制づくりに期待したいと思います。
次に、東日本大震災以降、新しいボランティアの形として始まっている重機ボランティアについてお聞きします。今回の地震でも、重機ボランティアの活動が報道で取り上げられていました。住民の希望により、一刻も早く解体して貴重品をとりださなければお金もない、倒壊の危険性から二次被害をおこさぬよう早く解体しないといけないといった状況により重機ボランティアに作業を依頼するケースでした。ただ一方で、罹災証明がない段階での解体については、のちの支援制度を受ける際に不利益を受ける可能性もあることから躊躇され、結果多くの家屋が解体できない状況にあるのも事実です。
この重機ボランティアについて、地震の際には大きな手助けになると考えますが、ボランティア受け入れの際に、重機ボランティアについても項目として受け入れる考えがあるのか、また、重機ボランティアが解体を行った住居などへの罹災証明受付をどう考えているのかお尋ねします。
【総務部長】
重機ボランティアは、全壊した倒壊家屋を重機や資機材で解体し、がれき処理も進めながら、埋もれてしまった貴重品などをほりおこし、被災者のもとにお返しするボランティア活動で、熊本の複数のボランティアセンターで実施されています。
今後、本市のボランティアセンターが、これらの活動について取り組むことになれば罹災証明書の発行方法も含め、検討すべき課題もございますので、研究してまいります。
建築士などの判断を待たずに解体することは、後の支援を受けるに当たり勇気のいる判断でもあります。ただ、買い物するお金もない様な着の身着のまま避難することになった被災者の心情を察すれば、重機ボランティアの重要性も見えてまいります。これまで絵の事例を参考にしながら、十分に研究をして頂きいざという時にしっかりとした対応がとれる体制の構築を望みます。
ここまで、災害対応について質問してまいりましたが、後方支援拠点として機能する本市が災害時にバタバタせずに、機能できるように、また、市全体の防災力を高めることにより本市の被害を最小限にとどめ、後方支援拠点としての役割を十分に発揮できるよう今後の対応研究に期待いたします。
◎子育て環境の整備について(保育所等の入所問題について)
次に、子育て環境の整備について質問してまいります。今回は、保育所等の入所に関連する事項についていくつかお尋ねします。
昨年から子ども・子育て支援新制度が施行されました。昨年9月の厚生労働省の発表によりますと、2015年4月1日時点で認可保育園に入所できなかった待機児童は、2014年と比べ1796人増え2万3167人になったとのことでした。保育所入所申し込み者数は2014年と比べが約13万1000人増加したそうです。受け皿を増やしたにもかかわらず待機児童が増えた背景について、厚労省の担当者は申込者の増加について、「新制度で子どもを預けられるとの期待が高まり、潜在需要が想定以上に掘り起こされた」との見解を示しています。また、今年に入り保育所への入所の可否が全国的にも話題になりました。
そこで、本市における保育所等待機児童がいるのかどうか、これまではどうだったのかお尋ねします。
【福祉部長】
厚生労働省の通知によりますと、保育所等待機児童とは、保育所等への利用申し込みが提出されており、保育が必要な要件に該当しているが、利用していない児童のことをいいます。特定の保育所等を希望し、ほかに利用可能な保育所等があるにも関わらず、保護者の私的理由により待機している場合には、待機児童には含めないことと定義されております。
本市におきましては、待機児童はいない状況ですが、保護者の私的理由により特定の保育所を希望され、入所できずに空きを待っているケースはございます。
国の定めるところによる待機児童はいないとのことで安心しました。しかしながら、空きを待っている児童がいるとの答弁がございました。この空き待ち児童についてどれほどいるのか、空き待ちとなっている理由についてお尋ねします。
【福祉部長】
平成28年6月入所希望者の施設を決定する利用調整の結果、33名の方が希望する保育所等の空きを待たれています。空きを待っている理由としましては、家や職場から近い保育所等を希望されるケースや、保育方針などの理由により希望する保育所等の空きを待たれているケースがあります。
33名の空き待ち児童がいるとの答弁でありました。この空き待ち児童について、居住地と希望園の地区に分けた空き待ち児童の表から多くは家や職場から近い保育所等を希望されているケースになるのかなと推測しております。慣れ親しんだ地域の施設で育てたい、兄弟と同じ園に預けたい、居住地内で預けたい、勤務時間と保育時間の兼ね合いから職場近くの施設に預けたいなど、理由は様々だと思います。
例えば、空き待ち児童の方がいつの段階で入所希望を出せたのか。4月入所であれば、本市の場合は12月に2週間程度の期間で受付をしています。子どもの月齢や健康状態、仕事復帰のタイミングなどで4月申込できないケースもあるのではないでしょうか。実際に、年度末に市民の方から途中入所についての相談を受けております。
そこで、5月以降の入所受付とその入所の割合はどのようになっているのかお尋ねします。
【福祉部長】
平成27年度実績から申しますと、5月以降の入所申し込みは、5月から12月にかけては毎月約100名、1月から3月にかけては約150名の入所申し込みがございました。このうち5月から10月は、約70%の児童が入所できましたが、11月から1月にかけては、約40%、2月から3月にかけては、約35%の児童が入所しており、後半になると、保育所等の空きがなくなり、入所しにくい状況となりました。
答弁いただきました割合で単純に計算すると、5月から10月までは30%入所できず、11月から1月は60%入所できず、2月から3月は65%入所できず待機児童が発生したことになります。これは、同一希望者による重複もありますし、実際には多くの方が入所できたという結果につながるわけですが、入所ができない期間、5月もダメ6月もダメ7月もダメとなってしまうケースのことを考えると、非常に不安でもあり育児休業や職場復帰などの目途が立ちにくい状況が想像できます。
こういったことを考えると、4月入所が一番入りやすいという結果になります。
ただ、最近では2500g未満の低出生体重児が増えており、厚労省の人口動態統計によると1975年に5.1%、1995年に7.5%、2010年に9.6%と増加傾向にあります。低出生体重児の場合、元気に生まれてきても、月齢での入所について医師から猶予するよう言われるケースもあり、1歳になるまで預けられない状況も生まれています。4月生まれなら問題は軽減されますが、それ以外の月に生まれてくる子については途中入所になりますので、やはり、途中入所の手続きをより分かりやすく、決定通知の迅速化や手続き受け入れ体制の改善が必要では似でしょうか。
次に、2子目以降の入所対応について、これは昨年所沢市の一件で全国的な問題ともなり記憶に新しいところですが、本市において2子目以降の育児休暇中の1子目の対応について、退園をしなければならないのか、また、復園、再入所する際に入所できないケースはないのかお尋ねします。
【福祉部長】
第2子目以降の育児休暇中の場合、1子目は、退園する必要ななく、継続して入所できます。なお、育児休暇中に退園した第1子目の児童が再入所する場合には、利用調整を行う際に、優先的に入所できるようにしております。ただし、より優先度が高い児童がいた場合、入所できない場合もございます。
平成27年度4月及び平成28年度4月入所時においては再入所できておりましたが、年度途中では、空きが無くなるため入所できないこともございました。
所沢市のような問題はないということで安心しました。ただ、ここでもやはり、年度途中の問題が見受けられます。色々なケースがあると思うのですが、1子目が退園せずに2子目が1子目と同じ施設を希望するも入所できないケース、1子目が退園して、同じ施設に再入所できないケースなどが考えられます。兄弟で別々の施設に入る可能性もあり、送迎の負担増や兄弟と同じ施設に預けたいといった希望から空き待ち児童になる可能性があります。
これらの事実を踏まえますと、行政サイドとして現在「5月以降入所希望は希望月の前月1日までに申請」という期間を、月別に期間を設けて、いつまでに結果を通知しますというところまではっきりと決めていくべきではないかと感じております。実際に、細かいスパンで受付を行っている自治体もあります。早めに申し込めば入所できるものでもないですが、心理的な問題や、途中入所でも結果通知がいつまでに届くということがはっきりしていれば、仕事を始めるに当たり一定のめどが立ちますので、入所できなかった場合の対応も取りやすくなると考えますので、ぜひこのあたりに取り組んでいただくようご提案いたします。
次に、保育士等研修事業について質問いたします。全国的な待機児童の問題は、本市でもいつ起こるとも限りません。厚生労働省が昨年9月に発表している「保育所等関連状況取りまとめ」内の保育所等の定員数及び利用児童数の推移資料をみますと、平成20年以降のデータですが定員たいして利用児童数はつねに下回っていることが分かります。国の保育士配置基準に対して、1.5倍~2倍の保育士を配置しているケースも少なくないと聞きます。こうった状況を踏まえると、配置基準より多くの保育士を確保していく必要があると考えます。そこで昨年から実施しております保育士等研修事業について、27年度実績と本年度の実施内容についてお尋ねします。
【福祉部長】
保育等研修事業につきましては、現在、様々な理由で保育現場を離れている有資格者を新たに発掘するとともに、現場への復職を目的としたものでございます。保育士及び幼稚園教諭鵜の養成校である南九州大学に企画立案から研修実施まで、委託しております。
平成27年度は、年間100万円で委託し、7月と1月にそれぞれ2日間実施いたしました。内容は、制度に関するものから遊戯や音楽等、復職に際して必要とされる知識や技術が習得できるものとなっております。
参加人数は、7月が3人、1月が8人の計11人でございました。そのうち保育所や子育て支援センターに復帰された方が4名おりました。
今年度につきましては、昨年度に引き続き、委託を予定しており、現在手続きを行っております。昨年度と同様の7月と1月にそれぞれ4日間ほどの日程で講義と実技研修を行う予定でございます。
なお、募集につきましては、市ホームページや広報紙への掲載、市役所、各総合支所、ハローワークにチラシを設置するほか、各報道機関への周知を依頼するなど、昨年度以上の参加者を期待しております。
研修を受けた方の内4名が復帰を果たされたとのことで安心しました。現在、公開されている保育士の求人を見てみますと、フルタイム1件、パート2件という現状でございます。前年度研修を受けた残りの方々についても、求人がなかったり、希望に合わなかったりという可能性もあります。このあたり、非常に難しいところだと感じております。ただ、本年度も多くの方に研修を受けていただきお一人でも多くの方が子どもたちの待つ現場に戻れることに期待したいと思います。
一方で、現場を離れていく保育士の方々も多くいると聞いておりますので、このあたりも含めてより一層の環境整備作りにも取り組んでいただきたいと思います。
少子高齢化の時代でありますが、確実に子どもは生まれてきますし、親としては少しでも素晴しい環境が整っている場所で子育てをしたいと考えるのは当然です。本市の人口も年々減少の一途をたどっていますが、子育て環境の整備、充実は必ずや本市の内外へのPRポイントになります。ぜひとも、これまで以上に力をいれた本気の子育て環境づくりに取り組んでいただくよう申し述べ、すべての質問を終わります。
コメントをお書きください