今回の質問
1台湾トップセールス
2学校の統廃合について
3公共交通の充実
◎台湾からの観光客誘致について
こんにちは。進政会の川内たかゆきです。元気みなぎる都城を目指して活動しております。本日最後の質問者となります。よろしくお願いします。
今回は、台湾からの観光客誘致について、学校統廃合について、コミュニティバスの充実について順次質問してまいります。
はじめに、台湾からの観光客誘致について質問してまいります。同僚議員からも質問がなされておりますが、少し角度を変えて質問します。2月に新聞などでもありましたが、市長が台湾からの観光客誘致に向けたトップセールスを官民連携で行ったとの報道がありました。観光客誘致や訪日観光客向けのインバウンド事業への取り組み強化については、昨年の9月定例会で質問したところですが、今回のトップセールスは本市の観光産業発展に向けた意気込みの表れだと歓迎しております。
はじめに、インバウンドに対するこれまでの取り組みについて市長にお尋ねします。以上壇上からの質問を終わり、以降は自席にて行います。
【市長】
インバウンドにつきましては、これまで、多言語パンフレットの設置や主要観光施設へのWi-Fiの整備などを行っている他、ボランティアガイドへの外国語セミナーなども開催しております。
このほか、宮崎県南部広域観光連絡協議会において油津港に寄港するクルーズ船からの観光客の取り込みについても取り組んでおります。クルーズ船からの観光バスについては、昨年度は、僅か1台という実績でしたが、今年度は、霧島ファクトリーガーデンに17台、都城島津邸に2台、高千穂牧場に1台の合計20台が訪れており、徐々に実績を伸ばしています。
平成28年度からは「地方創生加速化交付金事業」も活用し、台湾の旅行エージェントやブロガーを招請して7月に実施したファムツアーをはじめ、国際旅博PRブース出店事業や台湾メディア情報発信事業に加え、大手旅行代理店を活用したインバウンド促進アドバイザリー事業なども行っております。
なお、今回の台湾訪問もこの交付金を活用して実施したものでございます。
9月議会での答弁においても、wifi整備、観光ガイドへの外国語セミナーをはじめインバウンド対策に取り組んでいるとの回答があったわけですが、今回はトップセールスまで行い更なる観光客誘致に力を入れる動きが見られ、大いに期待しております。大型クルーズ船からの受け入れについても、9月議会の答弁では0台との回答でしたが、その後の調査で本市観光地へ20台の訪問があったという事で、今後の規模拡大に期待をしたいと思います。
さて、今回のトップセールスでは、考えていた以上に前向きな話ができたと伺っております。また、市長においても、現地での活動に本気で取り組まれ、その気持ちが台湾側へ大いに伝わったとも伺っており、今後の展開を期待せずには居られません。
一方で、観光客を誘致する上でより良いものを構築していくためには、お互いのニーズの合致が必要不可欠だと考えます。そこで、今回の台湾訪問において、現地ではどのような内容で本市をPRされたのかお尋ねします。あわせて、29年度の新規事業として提案されている「肉と焼酎を中心としたツアー、ミートツーリズムとの関連はどうなのかお尋ねします。
【商工観光部長】
今回訪問した主要観光機関である中華航空及び中華民国旅館組合及び台湾でキーとなる旅行エージェントや旅行雑誌社などの関係者を招待した「レセプション」では市長のトップセールスという形で、イメージ映像やパワーポイントを使いながら都城の持つ観光資源を分かりやすくPRするとともに、貴重な意見交換を行いました。
トップセールスでは、東京、大阪、京都というゴールデンルートから地方へと向かいつつあるインバウンドの流れも踏まえて、「日本一の肉と焼酎、とっておきの自然と伝統」といった都城の魅力と台湾に対する思いなどについて大いにPRすることが出来ました。
なお、ミートツーリズム事業につきましては、3月議会へ御提案申し上げているものであり、且つ記者会見の前であったことを踏まえ、説明に当たっては記者会見資料レベルの具体的な事業内容については差し控え、事業化出来た場合には、台湾の皆様にも詳細を報告するという形にさせていただきました。
また、台湾における主要旅行エージェント4社の訪問では、私が本市の観光について説明し、同行された企業等が自社のPRと実務レベルの商談及び意見交換を行いました。
日本一の肉と焼酎のまちPRを含め、本市の観光資源を市長自らがトップセールスを行う事で、これまでにくらべ一歩も二歩も前進があったのでは感じております。また、同行された企業等が直接商談や意見交換をすることができた点でも、早速前向きな動きが出てきたとも聞いておりますので、今後の動きに大きなプラスになったことと思います。あわせて、29年度新事業で提案されておりますミートツーリズム事業については、国内外の観光客の受け入れに対して、大変魅力的な事業であると感じております。PRしやすいものから磨きあげ、ぜひとも強力な本市の観光武器にして頂きたいと思います。
次に、今回の本市PR内容と現地で得られた台湾側のニーズについてどのように感じたかお尋ねします。
【商工観光部長】
今回の訪問で、台湾の旅行関係者からは、例えば宿泊施設について、ツイン仕様の部屋が幾つ必要であるとか、昼食でも団体客を収容できるレストランが必要であるとか、具体的な要望をお聞きすることが出来ました。
この他、繁体語標記のパンフレットや案内看板の設置、農業体験などの体験型観光メニューの提供、交通アクセスの向上なども求められておりました。また、当然ですが、インバウンドを進めるためにもアウトバウンドが必要であるとの御意見でした。
答弁から、台湾側のニーズを読み取ると、本市の状態ではまだまだ対策を講じなければならないと感じております。繁体語表記のツールも必要ですが、接遇の上では中国語、もしくは英語などでのやり取りが必要であり、本市を訪れた観光客に向けより良い対応をするためには各観光地でのこれまで以上の対応や官民連携が求められてくるのは間違いありません。このあたりも、観光ガイドや観光客が立ち寄る店舗での教育など、前向きな取り組みに期待したいと思います。
次に、本市に誘致する観光客の形態として、団体旅行者なのか個人旅行者なのか、どのような観光客をイメージしてPRを行っていくのかお尋ねします。
【商工観光部長】
日本政府観光局の統計によると、台湾の訪日旅行者は416万人で過去最高を記録しております。その理由として昨年からLCCを中心とした航空路線の拡充により、個人旅行者が増えていると思われます。
団体旅行と個人旅行の比率はそれぞれ、団体旅行が45%、個人旅行が55%でやや個人旅行が上回っておりますが、他国に比べ台湾は、まだ団体旅行客の割合が多いという結果になっております。
特に、本市における観光ではそれが顕著であるようですので、個人旅行の増加を視野に入れつつ、まずは、団体旅行の対応をしていく必要があると考えています。
先月の春節の際に、テレビなどで報道がなされましたが団体観光客の割合は2,3年前と比べると6割減となり、その分個人旅行者が増えているという内容でした。宿泊者の減少は見られないとのことで、バスツアーからレンタカーなどで観光する形態へシフトしてきているものと思われます。宿泊の予約についてもインターネットを使った個人予約が多いとのことでした。
実際に、1月にとある飲食店での出来事ですが、若い子連れの家族が座敷で飲食しておりました。その時は、とくに気にもしていませんでしたが会計の際の会話で中国、もしくは台湾からの観光客だとわかりました。家族は、地図を片手にレンタカーを借りて観光をしており、こういった訪日観光客を目の当たりにするのが初めてだったので驚きましたが、数日後の春節に関する報道で納得したところでした。
答弁では、まずは団体旅行の対応とのことでしたが、団体旅行中の個人行動や少人数行動に対応する施策、個人向けのレンタカー対応、飲食店対応、家族で楽しめる観光地や旅行内容といった個別のプランも構築していく必要があると考えますので、答弁の通り視野に入れつつの対応、施策を期待しております。
次に、今後の働きかけと受け入れ態勢の充実についてこれまで以上に求められと思うが、その辺りの充実に向けた考えについてお尋ねします。
【商工観光部長】
今回のトップセールスのあり方や成果などを充分精査するとともに、同行された観光関係者からも御意見をいただき、平成29年度予算で御提案申し上げている「ミートツーリズム推進事業」などをはじめ、台湾も含めた今後のインバウンド対策に反映させつつ、関係機関と連携して、ソフト及びハードを含めたインバウンド力の向上を図っていきたいと考えています。
答弁にありましたミートツーリズム推進事業を始め、ふるさと納税をはじめとするPR事業の成功を最大限生かすには観光産業の発展は不可欠だと考えます。昨年9月議会質問の際にも述べましたが、豊富な観光資源を持つ本市は、それらをこれまで以上に磨き上げ、しっかりとした体制、取り組みを講じていけば、観光産業は必ず基幹産業である農業と並ぶ重要産業になると考えます。
現状では、まだまだ課題は多いと感じておりますが、今回のトップセールスをはじめとして今後、さらなる官民連携やDMOへの取組など、観光産業の発展に力を入れていただくよう申し述べて、この質問を終わります。
◎学校の現状と存続について
次に、学校の現状と存続について質問してまいります。
本年度3月をもって御池小学校が休校することが決まっておりますが、地域と学校の関係性から考えれば、地域住民の皆さん、PTAの皆さんにとっては難しい判断であったろうと感じております。また、本市としても、地域の声に耳を傾けた結果の判断であったとことと存じます。
先日の報道もありましたが、串間市の中学校の統廃合をはじめとし、全国的に学校統廃合の動きが見られます。少子高齢化や、立地適正化計画、公共施設管理計画等の策定においても、学校の在り方、地域の在り方は今後大きく変化してきています。
そこで、質問してまいりますが、学校の存続においては児童生徒数が一つの判断基準であると考えます。現在、本市におきまして、児童生徒数が100名以下の小中学校がいくつあるのか、また、50名以下の小中学校はいくつあるのかお尋ねします。
【教育長】
現在、100名以下の小学校は、休校する御池小学校を含めて15校。そのうち、 50名以下の学校は10校。中学校は100名以下の学校は5校。その5校は、いずれも50名以下の学校。
全体の4割に当たる小学校が100名以下、中学校5校はいずれも50人以下という事で、改め本市の学校状況の厳しさを感じました。
次に、複式学級を導入している学校がいくつあるのかお尋ねします。あわせて、全学年複式となっている学校がいくつあるのかもお尋ねします。
【教育長】
現在、複式学級を有する小学校は、休校する御池小学校を含めて9校。また、全学年複式となっている学校は、御池小学校以外にもう1校。中学校は、複式学級を有する学校が2校。
複式学級を有する小学校が9校、中学校は2校、全学年複式となっている小学校は今回の御池小学校を含め2校あるということで、今後これらの学校については将来的なビジョンの明確化が喫緊の課題ではないかと感じております。
今質問してまいりましたが、減少する児童生徒抱える地域では、学校の在り方に対する想い、ニーズがあると思いますが、該当地域の学校を抱える地域の声はどの様になっており、どのように吸い上げを行っているのかお尋ねします。
【教育長】
保護者を含めた地域の声については、定期な調査は行っていない。各学校の校長を通して、状況を伺っている。
保護者を含めた地域の声については定期的な調査は行っていないとの事ですが、今後必要ではないでしょうか。学校と地域の関係性は非常に密着しており、近年の地域住民との触れ合いや連携の取り組みを見ても明らかです。
また、4日に開催された社会教育大会での地域の取り組み事例発表の中でも、見守りや児童生徒らとの交流の報告がありました。今後、地域の声、地域のニーズをしっかりと把握する機会や取り組みをなされることをご提案しておきます。
次に、笛水小中学校の現状についてお尋ねします。2010年に小中一貫校として新しく誕生したと記憶しております。あれから、7年たつわけですが、児童生徒数と新年度入学予定者についてどうなっているのかお尋ねします。
【教育長】
現在、児童生徒数は21名。新年度の入学予定者は、なし。児童生徒数が年々減少 している傾向にあり、学校は、サイエンスコンクールにおいて県知事賞を受賞、硬式 テニス部が九州大会に出場と特色ある教育活動に取り組んでいる。また、地域にある 笛水活性化委員会は、児童生徒募集の広告をタウン誌へ掲載するなど移住定住促進の 支援に取り組んでいる。
つい先日、市民の方から、笛水小中学校の入学者がいないとの話をお聞きし今回の質問をしたわけですが、答弁の通り入学予定者はなしとのことで、地域への影響を心配するところです。そもそも笛水小中学校は、2008年ごろの市の方針、児童生徒数20人以下の小中学校8校の統廃合に関する方針を策定したことがきっかけだったと記憶しております。学校存続の基準を満たすため、一貫校の開設について地域とPTAが取り組んだ結果、小中一貫校となり、開校当初は9年生32人でスタートしたと聞いております。それが、わずか7年で21人となり、入学予定者が今のところ0人との事で、正直驚いております。意欲的な取組を推進し、誇らしい実績を重ねている学校名だけに、地域の方々にとっても心配ごとの一つであろうと感じております。
先ほどから答弁頂いておりますが、少人数学校が増えてくる、今後も増える可能性がある現状を考えると、文部科学省が平成27年1月に出した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置などに関する手引き」との兼ね合いが気になってくるところです。そこで、手引きに記載の規模に満たない学校について、本市としてどのように考えているのかお尋ねします。
【教育長】
本市の小・中学校の統廃合については、平成20年7月に定めた「都城市小中学校 適正配置方針」に沿って進めている。今後については、平成29年度に都城市学校規模等適正配置審議会を設置し、現在の都城市小中学校適正配置方針の改訂に向けて準 備を進めていく予定。教育委員会としては、児童生徒にとってよりよい教育環境を整 えていくことが大切だと考えている。その上で、統廃合については、保護者や地域住民の願いを受け止めて対応をしていく。
今回、平成29年度から38年度までの「都城市教育振興基本計画」の策定が予定されておりますが、その中でも学校の適正配置について記載されており、本年度の審議会の動向を注視していきたいと思います。
次に、学校を核とした地域づくりはこれまで長い年月の中で築かれてきたものだと理解しており、その学校を失うことになるかもしれない今日の実情は言葉にできないものがあります。学校があることにより、親、子どもが地域に残り、地域の賑わいにもつながる、つながってきた。しかしながら、成熟した街、少子高齢化の背景の中で、学校と地域の関係は大きく変わってきていると感じております。
大きく変わりゆく流れの中で、学校を核とした地域づくりに取り組んでいる地域は全国的にみても、本市においてもたくさんあります。私の住む山之口においても、100名を切る富吉小学校の民族芸能伝承、50名を切る麓小学校の人形浄瑠璃クラブをはじめ、地域との連携で取り組む多世代交流事業といった取組みがなされております。地域にとっては学校が、学校、子どもたちの成長においては地域との交流が必要不可欠であると感じております。
そこで、今後、小規模学校周辺への住宅誘導や企業誘致など、その場しのぎではなく長期的展望の中で存続を前提としたまちづくり、地域づくりについてどのように考えているのかお尋ねします。
【総合政策部長】
昨年3月に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、「暮らし・都市機能再構築プロジェクト」を主要プロジェクトの1つに掲げ、安心安全な暮らしの再構築を図るとともに、コンパクトな都市構造への転換を誘導する施策に取り組んでいるところであります。
一方で、人口減少の進む中山間地域等の集落におきましては、学校や働く場など、その地域の生活基盤を存続させるためにも、地域コミュニティ機能を維持する取組を進めることが大変重要であります。
そのため、田舎暮らしを求める人たちの受け入れや地域資源の魅力を生かした活性化策を推進することにより、持続可能な地域づくりに繋げてまいりたいと考えております。
今後、まちの在り方については、地方創世の中で大きな変革の時代に入ってきていると感じています。答弁にあった「まち・ひと・しごと創成総合戦略」をはじめ、公共施設管理計画、土地利用誘導ガイドライン、立地適正計画など、様々な計画の中でこれからの都城を考えていかねばなりません。その中で、学校と地域の問題は大きな課題の一つです。
今回の質問にあたり、改めて御池小学校をはじめとする周辺地域に足を運んでみました。小学校グランドでは地域の方がグランドゴルフに汗を流しておられ、校庭から望む高千穂の峰はこの地域の良さを代弁しているかのように感じました。学校そばの夢ヶ丘登山口の横にある「御池開拓の碑」から都城を眼下に望むと、休校という道を選んだ地域の決断に果てしない重みを感じずにはいられませんでした。また、6日の宮日新聞の若い目のコーナーに投稿されていた御池小児童の作文には、学校の休校、友達との別れをしっかりと受け止め、前を向いている内容が書かれていました。
地域と学校を取り巻く背景には簡単にはいい表せない想いがあります。だからこそ、様々な計画を実行するなかで、地域との対話を何層にも積み重ね、様々な角度から物事を見つめ将来に向けた判断を慎重に行っていただきたいと思います。以上で、この質問を終わります。
◎コミュニティバスの充実について
次に、コミュニティバスの充実について質問してまいります。少子高齢社会の中で、地方においての移動手段の確保は年々厳しさを増してきていると感じております。その中で、本市としてはコミュニティバスやデマンドタクシーといった施策を行い、交通弱者の解消に取り組んでいるところです。
しかしながら、施策の充実と市民サービスとの間には未だ隔たりが多く、すべての地域において満足のいくサービスが提供できるまでに至っていないと感じております。
そのような背景の中、本年度は庄内地区まちづくり協議会を母体にコミュニティバスの運用開始、安久町尾平野地区におけるバス路線廃止に伴うデマンドタクシーの運用をはじめたところですが、この二つの利用状況などの現状についてお尋ねします。
【総合政策部長】
庄内地区のコミュニティバスは、本市が庄内地区まちづくり協議会に運行を委託し、平成28年11月17日から実証実験しているところです。平成29年2月末現在で54日運行し、延べ乗客数が772人となっています。1日当たりの乗客数は、11月は平均約6人、2月は約21人となっており、主にゆぽっぽ温泉や庄内病院等への交通手段として、利用者が増えてきている状況です。
尾平野地区のデマンド型乗合タクシーにつきましては、本市が宮交タクシーに委託し、平成28年4月から運行を開始しております。平成29年2月末現在、予約を受けた運行が299便、延べ乗客数が398人となっており、1便当たりの乗客数は、平均約1.3人となっています。
どちらも安定した利用がされているようで安心しました。特に、答弁のありました、温泉や病院については、これらの路線に限らず市民の皆様からの行き先の要望が多い施設でもあると感じております。運用されて間もない路線でもありますので、利用状況や地域住民ニーズをこまめに把握し反映していくことを期待しております。
次に、本市には平成26年度に策定された「都城市地域公共交通総合連携計画」があります。これまでの同僚議員への答弁においても、この計画に沿って取り組んでいく旨の内容だったと記憶しております。この計画には、大きく三つの数値目標が掲げられており、その最終年度は平成29年度となっております。
そこで、これらの3つの目標について現状どうなっているのかお尋ねします。はじめに、路線バスの満足度に関する「わからない」割合の減少を掲げていますが、解消するための取り組みとしてどのような施策を講じてきたのかお尋ねします。
【総合政策部長】
『路線バスが分かりにくい』と言われる方の中には、経路や終点が分からないという方や、乗り方自体が分からないという方がいらっしゃいます。
都城市地域公共交通総合連携計画を策定して以降、経路・終点の分かりにくさを解消するための取り組みとして、「くらしの便利帳」へ路線図を掲載したり、バスマップを作成し、広く配布してきたところです。また、乗り方を知っていただくための取り組みとして、こどもや高齢者、障がい者などを対象として、バスの乗り方教室を実施してまいりました。
いろいろな取り組みをされてきたようですが、計画には平成25年時点では40.6%の方が「わからない」と回答しており、平成29年、つまり本年においては、25%に下げるといった目標が掲げられております。今答弁のあった取り組みの結果、目標数値に近付く結果が得られることを期待しておりますが、実際に市民の方々のご意見をおききすると、「あそこにバス停があるけどどこに行くか分からない」といった声や「バス停はあるけど行きたいところに行かないバスだ」といった声も聞かれます。こういったことを考えますと、より地域に密着した取り組みが必要なのではと感じています。
例えば、15地区ごとに細かいニーズ、状況を把握した上で地区ごとの路線図を作成したり、基準地域からバス停までの距離を明記するなど、より地域に市民に密着した取組がされることを期待しております。
次に、数値目標として「地域での交通課題を考えるための地域交通住民検討会の設置」を29年には1つ以上設置する目標となっていますが、現状はどうなのかお尋ねします。
【総合政策部長】
計画書に定められた形での地域交通住民検討会の設置はございませんが、庄内地区で実証実験を開始したコミュニティバスは、運行経路やダイヤなど、地域住民が自ら調査・検討されております。実質的に、庄内地区まちづくり協議会が地域交通住民検討会の機能を果たし、行政側が同協議会をサポートすることが出来たものと考えております。
予定していた形での地域交通住民検討会の設置はなかったとのことですが、庄内地区まちづくり協議会の今回の取り組みがそれに当たるという答弁だったと思います。実際に、より細やかなニーズを把握し「わかりやすい」「利用しやすい」物を作り上げていくためには、地域交通住民検討会のようなものは必要不可欠だと考えます。そういう意味では、まちづくり協議会を核とした今回の庄内地区での取り組みは、今後のモデルケースになるものと考えます。
今後の課題として、より地域に、市民に密着した地域交通への取組が挙げられます。まちづくり協議会や地域公民館を核に添え、しっかりとした取り組みを講じて頂くようご提案いたします。
次に、「路線バスの利用者の向上」の目標では、平成24年3178人/日の利用者を29年には現状維持もしくは増加という目標を掲げていますが、各事業者の路線バスの利用状況はどうなっているのかお尋ねします。
【総合政策部長】
都城市地域公共交通総合連携計画の数値目標のひとつに、コミュニティバス等も含めた路線バスの利用者数の向上を掲げております。しかしながら、これらの路線バスなどの1日当たりの利用者数は、平成24年度時点では3千178人であったのに対し、平成27年度時点では、2千466人と減少してきております。
数としては700人程度減少している結果で驚いております。バス路線の廃止や路線が充実している地域の利用者の減少など原因は今後しっかりと研究して頂きたいと思いますが、高齢者の増加、免許返納の機運の高まりなど、こういったことに鑑みますと、公共交通の重要性は今後ますます高まるものと考えております。
実際に、私が個人的に市民の方々とお話する際に、コミュニティバスの導入、公共交通の充実の話題は開口一番聞かれるといっても過言ではありません。ほとんどの方が、この件を口にされます。それだけ交通に対するニーズの変化が起きているということであり、今回の質問にもつながっております。
交通弱者の問題は、4町や庄内、中郷といった周辺地域、中山間等生活地域における問題が大きいと考えていましたが、これらの地域が少なからずコミュニティバスなどの導入で交通弱者を解消する一方で、その網から漏れている地域、地区が市街地においても問題化している現状があると実感しております。
そこで、今後、更なる公共交通の充実を図る為に、公共交通不便地域や住民の高齢化を踏まえた上での新規導入についてどのように考えているのかお尋ねします。
【総合政策部長】
都城市地域公共交通総合連携計画は、平成29年度までの計画期間となっております。その後の社会情勢の変化などにより、平成29年3月に、バス事業者・本市を含めた行政機関・住民代表などで構成される都城市地域公共交通会議において、新たに都城市地域公共交通網形成計画を策定したところです。
以前の総合連携計画は、公共交通の「わかりやすさ」の向上を重視しておりましたが、今回の網形成計画は、平成29年度から平成33年度を計画期間とし、持続可能な地域公共交通網の形成を目指すものとなっております。バス路線の再編や利便性の向上、公共交通空白地域へのコミュニティバス等の新規導入などについて、地域の皆様とともに、課題解決に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えます。
今後、都城地域公共交通網形成計画が平成29年度から策定されるとの事であり、今後、その内容も含めてしっかりと研究をしていただきたいと思いますし、私も新しい計画について勉強をしていきたいと思います。いずれにしても、答弁にありました「地域の皆様とともに、課題解決に向けた取り組み」は大変重要な部分でありますので、これまで以上に地域に踏み込んだ取り組みを期待しております。
今回の質問の経緯は、本当に多くの市民の方々がこの問題を抱えているという現状を感じたからです。80歳、90歳過ぎて、片道30分かけて徒歩で買い物にいかねばならない日常、隣の地域にはコミュニティバスがあるのに自分の地域にはない現状、免許を返納したが日に日に公共交通の不便さに悲しくなり引きこもりがちになる問題、免許を返納したいけれど、自分の地域では返納してしまうと生活ができないといって車に乗り続けるしかない90過ぎの市民の方など、抱える問題は違えども必要としているものは同じです。だからこそ、しっかりと地域ニーズを、現状を、今後の流れを把握することが重要であり、既存路線の充実や新規導入も含めた新たな取組が求められております。
あわせまして、敬老特別乗車券については市内限定の扱いとなっておりますが、市境、県境に居住する市民の方は、市内よりも市外に生活拠点がある方もおられます。市内に向かえば片道40分、市外に向かえば20分で行けるような地域もあるのです。その場合、特別乗車券は利用できず、少ない年金から支出しなければならない。今後は、その辺りの利用、救済についてもご検討いただくことをご提案申し上げまして、すべての質問を終わります。
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