6月議会において、令和4年度から国が制度見直し行った水田利活用直接支払い交付金制度について、多くの市民の方から制度見直しの撤廃や制度の改善について多くの意見が寄せられておりました。
農林水産省は、こういった意見を聴取すべく5月と7月の2回にわたり意見聴取を行いました。
本市からも意見を届けておりますが、今回届けられた意見はもちろん、制度の改善や支援体制の整備を求めるべく、国に意見書を提出しました。主な内容は次の通りです。
水田活用の直接支払交付金の見直しに関し、支援体制の整備を求める意見書
国は昨年12月、「水田活用の直接支払交付金」の見直しを行いました。本制度は「魅力的な産地づくりや、高収益作物の導入・定着の支援」を目的としている事業です。
今回の見直しでは①戦略作物助成②産地交付金③水田農業高収益化推進助成④都道府県連携型助成⑤水田リノベーション助成の5つの助成交付制度が盛り込まれております。
このうち戦略作物助成では、飼料用米・米粉用米において、収量に応じて助成額が増える支援内容となっており農家の努力が報われる内容になっています。
また、産地交付金では飼料用米・米粉用米の複数年契約は減額されるものの、新たに輸出用米など新市場開拓用米の複数年契約加算が新設されています。
さらに、水田高収益化推進助成において、水田を畑地化する場合、高収益作物で反当り17.5万円、その他の作物で10.5万円を支援することとしています。
一方で、交付対象の水田について、2017年以降あぜや水路がない農地を対象外としてきましたが、これに加え、令和4年度から今後5年間で一度も米を作つける水張りを行わない水田を対象外とする方針が決定しております。
この方針については、長年にわたり国に協力し、産地づくりに取り組んできた農家から、新たな圃場整備や支出が必要となる、ブロックローテーションによる作付が困難、その他制度対応が著しく困難であるといった困惑の声が聞こえております。
このことから、交付対象外となった農地が耕作放棄地となる懸念や対応の困難を理由に離農につながることも考えられ、国土保全の観点からも、今回の見直しが必ずしも制度の目的に合致していないとの声が現場から寄せられています。
こういった声を受け、農林水産省は方針の見直し撤回はしないものの、都道府県からの意見を求め、極力早く今後の対応を検討するとして、5月末に中間とりまとめ、7月末に最終意見集約を行っていると聞いております。
これらを踏まえ、水田活用の直接支払交付金の見直しに関して、次の事項について十分に配慮いただき、現場の声を反映させた制度となるよう、その確実な実現を図られるよう強く求めます。
① 今回の見直しに伴い、集められた都道府県ごとの意見について、現場の声をしっかり受け止め確実な制度検証と改善を行うこと。
② 今回の見直しに従い、魅力的な産地づくりに意欲的に取り組む農家について、目的を果たすことができるよう圃場整備やその他支援を含め、施策の充実や予算拡充を行うこと。
③ 今回の見直しに伴い、影響の出る産地に対し、国土保全や安定した食糧確保の観点から、持続可能な水田農業の将来像を描くことができるよう、情報の共有や提供、支援などを行うこと。
以上、地方自治法99条の規定に基づき意見書を提出します。
令和4年6月23日
都城市議会
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